Material Development
2019年〜2024年(独立行政法人)日本学術振興会 学術研究助成金 基盤研究 (C)
「医療通訳を担える医師・看護師・その他医療従事者用語学プログラム開発」の科研費研究では、2019年末から世界を襲った未曾有のCovid-19パンデミックにより、国内外における医療通訳実態調査などが頓挫し、研究計画の大幅な変更が余儀なくされました。
その代替手段として、私はこれまでに出題された日本の医師国家試験の全英語問題に着目し、オンライン上の1) Text Mining, 2) Flesch Reading Ease, 3) Word Level Checkerの3つのツールを活用し、英語問題の出題傾向、英文難易度、そして語彙の出題傾向・難易度を分析しました。
この研究から得られた知見は、医療通訳の正確性を担保する上で重要な内容や語彙の選定にも直結します。特に、医師国家試験に出題される英語問題の傾向を分析することで、医療従事者が必要とする専門的な語彙や表現の習得に向けた効果的な学習プログラムの開発に寄与できると考えられます。
以下に日本英語教育学会から出版された本研究内容の集大成となる以下の論文を提示します。
Iizuka, H. (2014). Trends of English questions in the National Examination for Medical Practitioners in Japan and strategies for preparation. Journal of Medical English Education 23(3). 35-41.
今後は、分析結果をもとに、医療通訳者のみならず、医療現場で直接外国人患者と対応する医師や看護師が実践的に活用できる語学プログラムの構築を目指します。そのために、英語医療用語の体系的な整理や、臨床現場で頻出する表現を網羅した教材の開発、さらにはシミュレーションを通じた実践的なトレーニングの導入を検討しています。